太陽・月・山・川・滝・木・岩・・・・かって日本人は大自然の全てを神仏としていました。大自然の 全てに手を合わせ、頭を垂れ、大自然から恵みを受けて生きていたのです。大自然の全てを敬い、全ての価値観を認めることが日本人の心の源流といえるでしょう。この精神文化は、役行者の創始以来1300年の時を越えて、修験道の世界に今も色濃く残っています。修験者(山伏)は、厳しい大自然の中に身をおいて、山川草木悉くを神仏と感じながら、大自然を拝み、祈り、歩きます。彼らの最極の道場が霊場「吉野大峯」と修行の道「大峯奥駈道」なのです。


大峯山寺(本堂:重要文化財)

大峯山の中心である山上ヶ岳の山
頂にある寺です。明治初年の神仏
分離以前は金峯山寺の山頂蔵王堂
と呼ばれていました。この寺は毎
年5月3日から9月23日までの間だ
け開かれ、本堂内には中央に金剛
蔵王権現、右側に役行者が2体祀
られています。金剛蔵王権現は、
山上ヶ岳で苦行の後に感得した日
本独自の仏で修験道の本尊とされ
ています。

玉置神社(社務所及び台所:重
要文化財)

熊野から吉野に至る大峯奥駈道の
10番目の拝所として行者の往来も
盛んだった玉置山の頂上近くにあ
る神社です。重要文化財の社務所(元高牟書院)には狩野派の筆に
よる極彩色の杉板襖70枚があり、
この襖全てが一枚板でできています。境内には天然記念物に指定さ
れている神代杉・常立杉など樹齢
1000年を超える巨杉群があります。

大峯奥駈道

紀伊半島の脊梁・大峯山脈の稜線
伝いに続く修験道の修行の道です。
北は吉野から南は熊野まで約170km
にも及ぶこの道には、75箇所の拝
所や行場が設けられています。修
験者(山伏)にとって、大峯奥駈
道は曼荼羅の世界であり、最極の
修験道場とされています。

 

熊野本宮大社(重要文化財)

速玉大社(新宮)と那智大社とと
もに熊野三山として信仰を集め、
平安時代には王侯貴族の参拝も多
く、"蟻の熊野詣で"と称されるほ
ど多くの人々で賑わったところです。また、大峯奥駈道の第一番目
の拝所として奥駈修行の南の起終
点にあたり、明治初年までは神仏
習合の修験道の道場として栄えた
ところです。